県境を越え、平時からつながる。
民間連携で築く、誰も取り残さない広域レジリエンス
【事業の目的:なぜ今、広域連携なのか】
南海トラフ地震、糸魚川-静岡構造線断層帯地震、富士山噴火――。
予測困難な大規模災害が発生した際、単一の自治体や組織だけの資源や体制では、支援の手が届かない「空白域」が生まれるリスクがあります。
私たちは、行政の枠組みを超え、長野県・山梨県・静岡県等の隣接県が平時から手を取り合う「民間の広域連携モデル」の構築を目指します。
【想定される活動例】
- ○人材育成:重機等のオペレーターや心理支援など、即戦力を養成
- ○子ども支援:避難所での居場所づくりや心のケアを仕組み化
- ○備蓄・体制:フードバンク等の取組と連携した広域的な食料支援網
- ○防災教育:次世代とともに学ぶ、地域に根ざした予防活動
- ○復興支援:被災地のコミュニティを支え続ける長期的な伴走
【私たちが目指す未来】
「場所・物」への支援にとどまらず、困難を抱える「人」を中心に据えた支援へ。
平時のつながりを強固にすることで、いざという時に誰もが「支え手」にも「受け手」にもなれる、強靭で温かい地域社会(レジリエンス)を共に創り上げます。
(2022年度休眠預金活用事業では、長野県内を中心としたフェーズフリー×コレクティブインパクトのモデルを創出しました。)
隣接県同士が“民間ネットワーク”で相互受援する広域レジリエンスモデル
この事業全体で目指すアウトカム(成果)
1.広域災害に対応可能な民間の多分野・多セクターによる平時の連携・協働体制が構築され、定着している。
- 隣接県間の多様なステークホルダー(NPO、企業、行政、社会福祉協議会、コミュニティ財団等)が、大規模災害発生時に迅速かつ効果的な支援を行うための連携ネットワークを構築し、維持管理できる状態。
- 特に南海トラフ地震・糸魚川-静岡構造線断層帯地震・富士山噴火等の大規模災害が想定される長野県、山梨県、静岡県等において、行政を巻き込んだ民間連携(官民連携)が進んでいる状態。
- 災害時の支援空白域や遅延・重複といった課題を解決するための、役割分担や情報共有の仕組みが確立されている状態。
2.災害分野における支援ノウハウ・人材が蓄積・共有され、支援の質の向上と地域レジリエンスの強化につながっている。
- 広域災害に対応できる専門性を持つ人材が育成され、ネットワーク内で共有される。
- 特に南海トラフ地震・糸魚川-静岡構造線断層帯地震・富士山噴火等の大規模災害が想定される長野県、山梨県、静岡県等において、災害分野の支援ノウハウや人材が蓄積・共有され、支援の質が向上している。
- 困難を抱える人たち(被災した子ども、高齢者、障がい者等)のニーズに合わせた支援や、コミュニティ再生に向けた支援策が開発され、実践される。
3.広域連携モデルの有効性が実証され、他の地域にも波及している。
- 事業を通じて得られた広域連携モデルやノウハウが、全国の他の地域でも活用できるように整理・発信される。
- 特に南海トラフ地震・糸魚川-静岡構造線断層帯地震・富士山噴火等の大規模災害が想定される長野県、山梨県、静岡県等において、行政を巻き込んだ民間連携が生み出す広域連携モデルが地域のレジリエンスにつながる。
- 行政の政策形成に民間からの提言が反映され、災害対策の改善につながる。
公募詳細
申請を検討される団体は、本事業の趣旨や申請要件等を深くご理解いただくため、公募説明会及び事前相談への参加を必須とします。
公募説明会【必須】
オンライン公募説明会:
現地説明会:
会場:長野県自治会館小会議室(長野県長野市西長野143-8)
会場:塩尻総合文化センター教養室(長野県塩尻市大門七番町4-3)
会場:山梨県
会場:静岡県
※第3回、第4回の会場については決まり次第、長野県共同募金会並びに長野県みらい基金のホームページ上でお知らせします。
【お知らせ】公募説明会(現地説明会)山梨県会場及び静岡県会場が決まりました!
山梨県:甲府市朝気1-2-2 山梨県立男女共同参画推進センター(ぴゅあ総合)中研修室
静岡県:静岡市駿河区南町14番1号水の森ビル2階 静岡県NPO活動支援センター
事前相談【必須】
予約制です。申請をお考えの⽅は早めにお申し込みください。複数回の事前相談の実施も可能です。
実施期間:2026年7月24日(金)まで随時受付(1回1時間程度)
実施場所:長野県みらい基金松本事務所(長野県松本市島立1020 松本合同庁舎2階)又はオンライン(Zoom)
公募締切日時:
日時:2026年7月31日(金) 17:00
実行団体の審査、内定通知:
2026年8月下旬
実行団体決定、契約締結、助成事業開始:
2026年9〜10月
※契約締結及び助成事業開始の時期は、実行団体決定後の事業計画・資金計画の精査等の進捗に応じて変動があります。
○本文に記載いただく内容
団体名、氏名・役職、電話番号(日中連絡が可能な番号)、希望する内容(以下からお選びください。)
・オンライン公募説明会への参加
・現地説明会への参加(希望回:第1回長野市・第2回塩尻市・第3回山梨県・第4回静岡県)
・事前相談の実施(希望日時を第3希望までご記入ください。)
公募する事業の概要
- 事業名:
- 民間セクターによる災害対応広域連携事業
~多様な民間セクターが平時でつながり被災した方々をお互いに迎え支える体制づくり~
- 事業種別:
- 災害支援事業
- 解決すべき社会の諸課題:
-
- (1)子ども及び若者の支援に係る活動
- ①経済的困窮など、家庭内に課題を抱える子どもの支援
- ②日常生活や成長に困難を抱える子どもと若者の育成支援
- (2)日常生活又は社会生活を営む上での困難を有する者の支援に係る活動
- ③働くことが困難な人への支援
- ④孤独・孤立や社会的差別の解消に向けた支援
- (3)地域社会における活力の低下その他の社会的に困難な状況に直面している地域の支援に係る活動
- ⑤地域の働く場づくりや地域活性化などの課題解決に向けた取組の支援
- ⑥安心・安全に暮らせるコミュニティづくりへの支援
- (4) 地域における平時のつながりが弱くなっており、災害時にも対応できるレジリエントな地域づくり
- (1)子ども及び若者の支援に係る活動
対象となる団体:
対象となる実行団体は、災害時に必要な人材育成、災害時の子ども対応プログラムの開発、平時からの防災教育、地域の防災・備蓄体制づくり、災害復興の継続支援などに取り組む団体です。
また、多様なテーマに対応するため、複数団体によるコンソーシアムや連携組織での申請も対象とします。
その場合、代表団体が申請を行い、構成団体との役割分担を明確にしてください。
- 災害時に被災地の支援活動を行う団体
- 平時に地域の防災・減災活動を行う団体
- 地域の市民活動団体等を支援する中間支援団体
想定される事業及び団体連携イメージ
県域を越えた具体的な事業実施における連携づくり
●子どもの居場所、教育機関、地域のリビングラボ的な防災活動、フードバンク活動、要医療サポート支援活動など
それぞれの分野でのフェーズフリー(平時のつながり)を県域を越えて作り出す連携広域事業
県域、およびそれを超えた平時のつながり(フェーズフリー)を生み出す
環境醸成を行なう団体
●全県域及び県域を越えた多様な市民活動を支援する中間支援団体
例:社会福祉協議会、地域コミュニティ財団、市民活動支援センター
対象となる地域:
※長野県又は隣接県に活動の拠点があり、長野県を含めた隣接県の地域を活動の対象とします。
期待する活動概要:
今後は、南海トラフ地震、糸魚川-静岡構造線断層帯地震、富士山噴火等の大規模災害も起こりえます。
こうした背景や法改正の動向等を踏まえ、本事業では、隣接県における民間の多分野・多セクターの多様なステークホルダーが平時から連携・協働し、広域災害への対応力を高め、地域レジリエンスを強化するモデルを構築・検証し、その成果を全国へと波及させることを目指します。
具体的には、災害時に必要な人材育成、災害時の子ども対応プログラム開発、平時からの防災教育、地域の防災・備蓄体制づくり、災害復興の継続支援等に取り組む活動団体への資金的支援・非資金的支援を行うとともに、広域災害に対応するための連携・協働の枠組みづくりや行政への政策提言等を行い、休眠預金事業の災害分野のノウハウ・成果の蓄積を活用し、全国に向けて発信します。
多様な民間セクターが平時でつながり被災した方々をお互いに迎え支える体制づくりに資する、志ある提案を求めます。
※詳細は別添「公募要領補足資料」を必ずご確認ください。
事業期間:
※公募の状況や選定後の契約に係る⼿続き次第で開始時期が前後する場合があります。
採択予定実行団体数 :
1団体あたりの助成額:
※ただし、年度ごとの事業計画及び評価に基づき、各年度の助成額を決定します。
選定基準:
実行団体は、以下の基準に基づき選定を行います。
| ガバナンス・コンプライアンス | 包括的支援プログラムに示す事業を公正かつ適確に遂行できるガバナンス・コンプライアンス体制等を備えているか |
|---|---|
| 事業の妥当性 | 事業対象となる社会課題について、問題構造の把握が十分に行われているか、また、解決したい社会課題に対して事業計画(課題の設定、目的、事業内容)が妥当であるか |
| 実行可能性 | 業務実施体制や計画、予算が適切か |
| 継続性 | 助成終了後の計画(支援期間、出口戦略や工程等)が具体的かつ現実的か |
| 先駆性(革新性) | 社会の新しい価値の創造、仕組みづくりに寄与するか |
| 波及効果 | 事業から得られた学びが組織や地域、分野を超えて社会課題の解決につながることが期待できるか |
| 連携と対話 | 多様な関係者との協働、事業の準備段階から終了後までの体系的な対話が想定されているか |
| 【加点項目】県境を越えた平時の連携 (ネットワーク)構築 |
大規模災害時に対応する県域を越えた「平時からの備え」フェーズフリー的な連携体制の構築要素 |
| 全国の先行事例(既存の休眠預金活用事業など)との学び合い |
| 3年間のモデル創出を全国の共有知とした発信 |
| 実際の発災時に活動が開始できる体制づくり |
公募要領等
| 公募要領 | 民間セクターによる災害対応広域連携事業 実行団体公募要領 民間セクターによる災害対応広域連携事業 実行団体公募要領公募要領補足資料 民間セクターによる災害対応広域連携事業 実行団体向け積算の手引き |
|---|---|
| 公募説明会資料 |
|
| 申請書類 |
【申請する事業ごとに提出する書類】
|
選定経過
甲府市
- 災害支援団体や平時からの連携体制が不足する山梨県で、NPO、企業、福祉施設、社協、行政など多様な主体を結ぶ「山梨県被災者支援ネットワーク」を構築し、迅速・適切な被災者支援の実現を目指す。
- 具体的には、支援団体の発掘、分野横断型の研修や模擬演習、近隣県との広域連携を平時から進め、長期的なフェーズに対応できる県域ネットワークを形成する。
- 災害支援コーディネーターの育成により活動の質・量を高め、行政の公的支援を補完しながら要配慮者等へのきめ細かな支援体制を強化する。
- 合同訓練や情報共有体制の整備を通じて、実効性の高い相互支援体制を構築する。
●評価できる点
- 審査委員全員から高い評価を受け、公募事業の趣旨に極めて合致した優良な提案である。
- 山梨県内における行政、社会福祉協議会、NPO、企業、労働団体等の多様な関係主体の連携基盤を構築し、近隣県(長野県・静岡県)との平時からの広域での関係構築を推進する姿勢が高く評価される。
- 県行政との連携体制や、将来的な行政予算化・事業継続の方向性が明確に示されており、実現可能性及び妥当性が極めて高い。
- 災害時に最前線で住民ニーズを把握し協働支援につなげる取り組みや、県社協の強固な基盤・3層ネットワークの実行性が評価される。山梨県内に中間支援組織が不在の中で、県社協が受け皿となって広域連携を強力に牽引することが大いに期待できる。
●課題と期待事項
- 災害支援コーディネーター育成に関わる具体的方策や実施体制についての言及がやや乏しいため、受講・育成プロセスのさらなる具現化が求められる。
- 山梨県・長野県・静岡県の広域社協・防災ネットワークの軸として期待が大きい。平時からの情報共有・協働の仕組み構築を確実に推進し、他県連携による相乗効果を波及させることが期待される。
~地域課題や災害種ごとの連携交流による、子ども自らが創り出す”防災教育”~
長野市
- 信濃教育会が主導し、県境を越えた学校間連携を通じて「子ども自らが創り出す連携・協働した防災教育」の実現を目指す。
- 従来の計画通りに進めるだけの訓練から脱却し、児童生徒が主体的に課題を見つけて解決を図る「考える防災教育」への質的変化を促す。
- 具体的には、糸魚川-静岡構造断層帯や南海トラフ、火山噴火等の広域災害を見据え、長野県内と隣接他県の学校が連携する。
- 3か年計画で、1年目に連携推進校を選定し、2年目に共同実践研究を深め、3年目に「防災子ども会議」やセミナー等で成果を発信する。
- 「学校地域間交流」や「災害種学校連携」のモデル構築を通じて、自ら命を守り、協働して地域を守る力を育む。
●評価できる点
- コンソーシアムの事業趣旨に非常によく適合しており、広域展開と事業継続性の双方が高く評価される。
- 流域や災害種によって課題を共有する隣接県の5市町の学校と連携し、学び合う防災教育・越境学習を推進する視点は極めて先駆的で魅力的である。
- 子どもたちが受け身で待つのではなく、自ら考えて能動的に行動する主体性を育むアプローチや、9,800人に及ぶ強固な普及基盤・教育ネットワークを活用する着地点が明確である点が評価される。
- 教育分野のソフトやコンテンツの広がり、学校と地域の連携という観点から着地点が明確で持続性が高い。
●課題と期待事項
- 事業を推進する委員会の具体的な役割や組織内容・機能についての詳述が必要である。
- 教育現場や地域セクターを巻き込んだ広域連携モデルとして推進を期待。学校・地域・多様な民間セクターとの連携を通じて、持続可能な防災教育コンテンツの広がりが期待される。
(コンソーシアム)
特定非営利活動法人 人と動物の共生センター
~6県の民間セクターが日常と非常時をフェーズフリーにつなぎ、ペットと暮らす人を誰も孤立させない~
岐阜市
- 長野・山梨・群馬・岐阜・静岡・愛知の6県で、災害・住まい・高齢化に伴うペット飼育世帯の孤立を防ぐため、民間広域共助ネットワーク「和(わ)」を構築する。
- 平時からペット関連事業者や宿泊施設、居住支援法人、行政書士等が密に連携し、フェーズフリーな支援体制を整える。
- 具体的には、地域学習会や広域災害訓練の実施、万が一に備える「ペット後見」の普及、セーフティネット住宅におけるペット可物件の登録促進、自治体との協定締結を進める。
- 事業を通して「ペットがいるから避難や転居ができない」という行動制約を解消し、誰もが安心して暮らし続けられる社会インフラの構築を目指す。
●評価できる点
- 災害時におけるペット同伴避難・飼料確保という「構造的空白」の課題に切り込み、ペット・住まい・高齢化を一体として捉えた近隣6県モデルの先駆性が評価される。
- 同行避難や避難所運営のガイドライン提示など、家族同様の存在であるペットを巡る平時の備えと行政・市民セクターとの合意形成を目指す意義は非常に高い。
●課題と期待事項
- 課題が多岐にわたりアラカルト的な提案となっているため、焦点を絞った事業への再整理が必要である。また、ヒアリングにおいて管理運営体制の脆弱さが懸念されるほか、提案された自主財源計画は実現ハードルが極めて高く、静岡県等との連携要素の課題もある。
~南海トラフに対応する広域連携~
小布施町
- 「平時に楽しみ災害に備える」を掲げ、南海トラフ等の広域災害をを見据えた即応体制の強化と、現場で活躍できる人材の育成を目指す。
- 活動拠点「防災パークnuovo」等を活用し、家族3世代が各々の役割を学ぶ循環型防災教育を推進する。
- 有事の救助に直結するスコップ等の資機材習熟研修(「スコップマスター」認定など)や、ハザードマップを用いた現地踏査を含む徹底講習を実施するほか、被災地支援活動の知見をまとめた小冊子を作成する。
- 平時の体験を通じた防災意識の向上と、現場で即戦力となる個別の人材育成を両立させ、地域の強靱化(レジリエンス)に貢献する。
●評価できる点
- これまでの大規模災害における豊富な被災地支援実績と即応体制、現場での小回り感・圧倒的な実行力の高さが高く評価される。
- 75組織に及ぶ強力な連携ネットワークを有し、平時からの主体的な学びの機会提供や地域づくりのアプローチ、即戦力となる防災救助人材の育成提案が評価される。
- 3世代循環型の備災教育プランなど、地域に根ざした多様なアプローチで参画から主体者への拡がりを目指している。
●課題と期待事項
- 広域連携において各拠点同士がどのように関わり協働するのか、具体的な連携内容が見えにくい。
また、事業表題として掲げられている「南海トラフ」と提案内容・実施地域との接続性を整理・明瞭化する必要がある。 - 現場ニーズに根ざした高い実行力・現場対応力が信頼されており、計画の具現化・拠点間連携の整理を通じて有事の広域支援体制の要となることが期待される。
~県内コミュニティFM連携による防災情報ポータルと広域相互支援体制の構築~
松本市
- エフエムまつもとが長野県内のコミュニティFM局を核とした連携ネットワークを構築し、「誰一人情報から取り残されない地域」の実現を目指す取り組みです。
- 災害時に情報弱者となりやすい高齢者、障がい者、外国人、観光客等への多チャンネル型情報アクセス支援モデルを実証する。
- 具体的には、平時からアクセスできる防災情報ポータルサイトの構築・運用や、共同番組制作、防災イベントを通じた「縮災」の啓発活動を行う。
- 一局が被災・停波した際にも近隣局が相互に情報発信を補完し合える広域支援体制を3年間で構築し、将来的な隣接県との連携も視野に入れた広域レジリエンスモデルの確立を目指す。
●評価できる点
- 災害時における情報弱者や情報到達空白地域への支援の重要性を高く評価される。
- 長野県内のコミュニティFM 10局による相互放送支援協定や局間バックアップ体制、平時から活用するポータルサイトの構築は極めて妥当かつ先駆的な試みである。
- 民間メディアの視点から、助成期間終了後の独自のマネタイズ手法や事業持続性に関するアイデアを有している点も評価される。
●課題と期待事項
- 隣接県との広域連携が助成期間終了後の計画となっている点や、情報弱者への具体的アプローチの記述不足が見られ、広域的な波及効果・面的な広がりにおいて課題感がある。
- 行政と地域メディアが平時から密に連携し、非常時に誰一人取り残さない迅速な情報伝達の仕組みを確実に完成させることが期待される。
~平時の輪が、迎える力になる
~さんごのわの災害時モードづくりと県境を越えたつながり~
松本市
- ママフェスまつもとが、災害時に最も脆弱な妊産婦や乳幼児家庭を平時のつながりで守る「母子防災」の体制構築を目指す。
- 避難生活で孤立しがちな親子を、地域と民間のネットワークで温かく支える。
- 具体的には、子育て支援者ネットワーク「さんごのわ」に災害時モードを導入し、「子育て防災コーディネーター」の育成や役割マップ・初動ルールの策定を進める。
- 乳幼児家庭版の防災手帳配布やLINE連絡網、ラジオ番組等の情報インフラを整備する。
- 実動訓練を重ねて成果を「松本モデル」として体系化し、山梨・静岡両県との広域相互支援や行政への政策提言につなげる。
●評価できる点
- 支援対象を「産後1年までの支援空白期間」と明確に定義し、乳幼児のいる家族を守る特別な支援網を構築する着眼点は非常に素晴らしく高く評価される。
- 平時に稼働する60団体のネットワークを災害時支援機能へ転換する設計や、子育て防災コーディネーター養成、ルールブック作成など「松本モデル」の体系化・自走化に向けた具体性が評価される。
●課題と期待事項
- 松本市中心の活動にとどまっており、自治体を越えた隣接県・広域への波及や面的な広がり(広域性)が不足している点。また設立間もない小規模組織であり、今回の規模の資金を適正かつ効果的に執行・管理できるか、ガバナンス体制に課題が残る。
- 資金運用の適正化及びガバナンス強化、広域展開に向けて事務局による伴走支援が必要とされる。
~善光寺門前での実証から、地域を越えた支援・受援の仕組みへ~
長野市
- 長野市善光寺門前地域を舞台に、住民、大学、企業、行政等が地域情報を共創・活用する「地域情報共創リビングラボ」を運営し、民間広域災害連携モデルを構築する。
- 地域の危険箇所や避難資源、歴史災害情報などをGIS等で可視化・蓄積し、まち歩きや訓練を通じて継続的に更新する。
- 2027年の善光寺御開帳期には「地域情報共創ミュージアム」を開催し、歴史の知見を未来の備えへ転換する共創循環を実証する。
- 近隣県の中間支援組織と連携し、広域災害連携ワークショップや図上訓練(TTX)を通じて、将来の相互支援・受援ネットワーク形成を目指す。
●評価できる点
- 新規性と先駆性が極めて高く評価された。ソーシャルセクターの強みを遺憾なく発揮した先導的な提案である。
- デジタル地図上に防災・災害情報を蓄積するGIS基盤を構築し、平時から近隣県と図上訓練等を重ねて相互支援ネットワークを形成する取り組みは、共助の社会基盤づくりとして非常に有意義である。
- 住民、行政、企業、研究機関が協働し、平時のつながりを有事に生かす具体的な情報基盤・広域の中間支援連携として大きな可能性を秘めている。
●課題と期待事項
- 多様なアクターと地域事象が具体的にどのような活動で結びつき、地域住民や自治体へ還元されるのかについて不明確な部分が残る。
- 助成期間終了後の事業継続性・資金的な自走化が主要な課題となる。先駆的モデルとしての着地点を明確にし、発展的な情報基盤として定着させることが期待される。
秦 康範 様
- 日本大学危機管理学部危機管理学科教授
藤井 基貴 様
- 静岡大学教育学部教授
廣内 大助 様
- 信州大学グリーン社会協創機構地域防災減災センター防災減災教育部門長
- 信州大学教育学部教授・防災教育研究センター長
三井 哲 様
- 公益財団法人八十二文化財団専務理事
- (元一般財団法人長野経済研究所専務理事)
根橋美津人 様
- 日本労働組合総連合会長野県連合会会長
- 一般社団法人長野県労働者福祉協議会会長
(順不同・敬称略)
